
イベントでは、数人にしか声かけしていないにもかかわらず、たくさんのお客様でcafe pathが一杯になりました。いやあ、もっと広く呼びかけたかったのですが、cafe pathには60〜70人がやっとなので、程よい参集範囲だったかな〜と思っています。
ボブ・サムさんは今でも神話の世界で生きている人です。そして、ボブさんはその神話の数少ないストーリーテラーのお1人です。日本だって神話の延長に設計された国家なのですが、だいぶ"左右の方々"や権力に歪められてしましました。一方、トゥリンギット達は、皆この神話に宿るスピリットを大切にし、畏れ、日々の営みに反映させて暮らしています。だから神話を語り継ぐことは、僕たちが想像する以上に重い意味を持ちます。通訳は専用の冊子が渡され、イベントが終わったら必ず捨てるように言われているといいます。神話は口承伝承のみ。言葉に魂を宿し、語り手や聞き手それぞれの人の魂と共鳴し、神の世界(この世)においてよりよい振る舞いをするようにしむけるものなのです。だから、文字として残すわけにはいかないというのです。それだけみなさんは集中してボブさんの言葉と向き合うことになりました。とても素敵な夜でした。
翌日、結城さん達と再びcafe pathを訪れてくれ、旅の疲れを癒していました。やはり彼ほどのビッグネームになると、あちこちに引っ張りだこになりスケジュールがタイトなようです。今回はチャシコツプロジェクトと結城さん達アイヌの若いコミュニティとの交流のために訪れたのですが、「ボブが来ているらしい」という情報は勝手に一人歩きし、彼にとっては不本意なイベントが盛り込まれていったようです。その内容を聞くにつけ、活動家としてのボブ、リーダーとしてのボブは、この日本ではあまり理解されていないような気がしました。神話のすごさは分かるのですが、ボブは語りの前に「コレは僕の話じゃない」とはっきりと言い、多くの先祖の名前を出し「彼らの話だ」と言っています。僕がすごいんじゃない、神話がすごいんだと。ボブの神秘性に光を当てることも良いですが、そんな神秘的な価値を中心に据え生活をしているネイティブたちの現実の方にも光を当てなければ、ボブさんに対して失礼だと思います。そして、それよりももっと厳しい状況がアイヌ民族の間にあることも・・・。
僕もいろいろと相談に乗ってもらいました。
「世の中、殆どの人がfollower〜人についていくタイプの人で、ほんの一握りがleaderだ。君は好むと好まざるとリーダーだ。生まれついてのリーダーだ。」
「辛いときは"息"を意識しなさい。辛くなってくると、胸が閉じてくる。しっかり胸を開きなさい。そして、声帯ではなくここ(胸)で話しなさい。はっきりとした、わかりやすい言葉で、話すことです。君は僕と同じ声を持っている。大丈夫だ。」
ボブさんの神話の中に、この世を作ったワタリガラスに魂の火を届ける鷹の話が出てきました。誰も火をもつ持つがおらず、ワタリガラスが探し歩いていた時にたまたま鷹が請け負い、燃え盛る炎のついた枝をくちばしにくわえ飛び続けるのです。熱くて熱くて、顔に火が移っても泣きながら飛び続けます。泣きながら泣きながら・・・。
それでも諦めるな、勇気を出せ。
燃え尽きることを恐れている自分に気がつきました。僕のあだ名はFIRE(笑)。燃え続けようと思いました。

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