僕は完全に80'S世代だ。でも、懐メロを聞くほどまだ老いぼれていない。今の楽曲も大好きだ。
そして、「昔の音楽は良かった」と懐古主義に陥るほど80'Sを崇拝しているわけではない。そう前置きして置いて、全面的なシンディーのパワーへのリスペクトである。
シンディローパーは80'Sを代表するポップアーチストだ。バラードもアッパー系の曲もどちらもこなすが、常にちょっと寂しげな曲調なのが特徴だ。どちらかというとスタジオ系の人かと思っていたが、今日のライブ映像を見て不覚ながら20年近くたって完全にイメージが変わってしまった。とてもソウルフルでロックな人なのである。
僕たちが育った時代は「ザ・ベストテン」の全盛と衰退を見た時期だ。いわゆる歌謡曲とアイドル文化が頂点に達したころ、そして、それが見る見る廃れていく姿を目の当たりにしていたのである。そんな中で洋楽ポップスは一部の人の間で聴かれていた。
80'Sの楽曲はとても特徴的な、悪く言えばアクの強いものが多かった。日本国内の音楽は歌謡曲や演歌の延長的であり、世界観もコード進行もいわば予定調和な音楽に日本人は慣れ親しんだ。そこに、あまりに鮮烈に飛び込んできたのが当時のポップスだったのである。僕はFENのアメリカントップ40に耳を傾け、友人とビルボードのチャートを毎週ノートに書き写していたのを覚えている。それほど海外の音が新鮮に聞こえ新しい文化を実感できた時代だった。僕は洋楽を聴くようになって「国内の音楽なんて聴くに堪えない!」と思ったが、でも実やそれほど洋楽が流行ったとはいえない。やはり一部の人の間で楽しまれた音楽だったのだ。
そのなかで、シンディローパーの曲調はとても特徴的だったのを覚えている。誰もがすぐに耳になじんで、口ずさめるちょっぴり切ない旋律。いまでも『Time After Time』などを聴くと涙が込み上げてくるのだが、そんなシンディーのライブをBSで見ていて改めて感じたところがある。彼女の旋律特に独創的で美しく、計算されつくしている・・・と。
実際、多くのアーチストが彼女の曲をカバーしているが、やはりカバーされるということはそれだけ旋律が美しいという証拠だろう。その圧倒的なパワーを存分に見せつけるライブ。そこにシャギーとのジョイントである(!)。これには参った。美しい旋律にシャギーのしゃがれたレゲエラップ。彼のおかげでノリノリのアレンジになりつつも、シンディの切ない空気感はそのまま。このアレンジ、いったい誰が考えたのだろう・・・。僕は多分シンディ自身だと思った。「天才」の一言に尽きる。
最後は『All Through the Night 』での締めである。シャギーの絶妙なアッパーなフィルインである。泣ける。アッパーな曲なのに泣ける!DVDがあれば是非手に入れたいと思うほどのソウルフルなステージだった。
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