風車はいつ見てもシュールな建造物だ。現実感のないその姿に象徴されるように、実際の運用にも壁が多すぎる。それは、企業努力とか自治体のやる気とかの問題ではなく、国のエネルギー安全保障の問題だ。
風力発電など、自発的に作り出した電力を効率良く一般に利用しようとしたら、電線や変電所などの既存のインフラを利用することがもっとも効率的だ。その際には、その風力発電を行う事業主とインフラの持ち主である電力会社との電気の売買が発生する。だが、そこでの価格決定や制度には疑問なところが多すぎる。購入原価をとにかく低く抑えたい電力会社と、原子力発電などの推進をしている国の利害が一致して、クリーンエネルギー発電の振興をわざわざ抑制するような制度が日本には存在するらしい(→RPS法)。だったら大手の電力会社が大きな投資をしてクリーンエネルギーを増やしてくれればよいが、国は原子力開発という軍需産業に近いエネルギー開発の方が大切で、それを脅かすクリーンエネルギーはむしろ"邪魔"と考えているのだろうか。
ドイツやスウェーデン、デンマークといった環境先進国では、クリーンエネルギーの具体的な導入目標を掲げて、実際に効果を挙げている。そして、その関連企業の隆盛は目覚しい。ヨーロッパ〜北欧にかけての最近の勢いのひとつの原動力と言っても過言ではないだろう。そういう国策はイケてないのだろうか?
しかも、クリーンエネルギーの事業者が、大手電力会社に売電できるかできないかは「抽選」で決めるそうだ。はぁ???
今、エコエネルギーの発電会社を興し売電するという事業は、運動的にやることは別として、まったくナンセンスなものとなってしまった。なぜこれをやればやるだけナンセンスになってしまうのか…先進的に取り組んでおられる事業者や自治体の苦労を見ていると、そういったやるせなさを感じずにはいられない視察だった。エネルギーの問題は、もう少し掘り下げてみたいと思う。
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