石川くんは、学芸大の大学院に通う26歳の青年だが、TVでも有名な登山家野口建の「最年少7大陸最高峰制覇」の記録を破った男だ。それだけではなく、あのナイノア・トンプソンが師事したという、マウ・ピアイルグからポリネシアの先住民族に伝わる、スターナビゲーションという航海術を学んだ日本で唯一の人だ。その他にも、"Pole To Pole"という北極から南極までの人力での旅をしたりと、もの凄い経歴を持っているにも関らず、それを感じさせないひょうひょうとした生きざまが、またカッコイイのだ。
扶桑の友人からのリクエストで、是非パフォーマンスとコラボレーションを見たいとのことだった。そこで、彼は大学院の友人の鶴町典子さんというダンサーを連れてきた。彼も初めての体験だという。鶴町さんは先端芸術表現をライフワークとされているアーチストで、耳の聞こえない南村千里さんという振り付け師に師事し、普段のおっとりした様子からは想像もできないほど感動的で情熱的な先鋭パフォーマンスを見せてくれる。
自然の奥深い世界はもはやアートでしか表現のしようがない。深遠な自然を知り、それを伝えようと考える者は誰もがアートの手法を手に入れようとする。そんなことをあっさりやってのける若い人たちを僕は素直に「凄いなあ」と感心して見てしまう。僕は表現していく手法として事業と文章という手段しかないが、それをアートまで高めることが永遠のテーマだ。
さて、ステージでは不気味に浮かび上がる月の写真がスクリーンが映し出されると、石川くんの写真のイメージに作ったオリジナルの音楽と、鶴町さんのダンスのコラボが始まる。僕は最初から号泣。ダンスが終わった後、石川くんは1時間30分以上ものスライドショーをしたが、もしかしたらダンスとのコラボレーションの15分間が、もっとも雄弁に彼の世界を表現していたかもしれない。とても感動的なステージで、是非、知床でも実現させようと話している。(その時は、改めて告知します。)
余韻に浸る間もなく、夜のうちに新幹線で東京の実家に帰り、翌朝の始発に乗って女満別空港まで帰ってきた。その足で、羅臼まで車を走らせ、世界遺産の会議…。そんな多忙な中でも、聖なる時間に流れる、心静かな自分の内面を大切にしたいと思う。そして、そのきっかけを作ってくれるのは、僕にとってはあいも変わらず「自然」だ。
そう、今日はモノレールから見た朝日と宵月の美しさに、僕は救われた。
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南村さんとは何度かメールをやりとりしたことがあります…
投稿者 Hokulea2006 : 2005年02月20日 23:08