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›3 14, 2001

北海道的おもてなし

Posted by Tatsuya at 23:46 / Category: Business / 0 Comments

僕は北海道のもてなしの原点は「あったまっていきなさい」という精神にあると思っている。北海道の厳しさを身にしみて感じ、“あったまった”時の心の平穏をよく知っている北海道人の最上級のもてなしの言葉だ。その家々の漬物やイズシを一口二口頂きながら、お茶をすするだけ。どうってことない会話をして、サクッとおいとまする。暖かい空気と雰囲気をひととき共有する。これが北海道のおもてなしだ。

でも、こんな精神をきちんとカタチにできている北海道企業はどれだけあるだろうか?僕の中での、北海道No1企業は「六花亭」である。六花亭のホワイトチョコレートも『白い恋人』も、どちらも北海道を代表するお菓子だけれども、六花亭のステイタスの方が断然高いのは何でなんだろう・・・。先日、仕事で行った然別湖からの帰り道、帯広の六花亭本店に寄ってみた。そのワケはお店に入れば一目瞭然。いわゆる「企業文化」ってやつの違いだろう。ミズナラ(?)のむくの板で作られた自動ドアを入ると、「あったまっていきなさい」の雰囲気が店中にあふれていた。奥には自由に飲めるコーヒーが用意してあり(もちろん美味しい)、それをすすりながらしばらく店員さん達の動きに見惚れてしまった。むちゃくちゃ忙しいにもかかわらず、清潔感、正確性、コミュニケーション、アイコンタクト・・・どれをとってもこれほど素晴らしい店員の動きを僕は見たことがない。わざとらしくなく、マニュアル的でもない、それでいてプロとしての安定感を感じさせる仕事ぶりは、是非北海道中の旅行業の人たちに見てもらいたいと思った。本州から来た人も、道内の人も、これがまさしく「北海道のおもてなしだ」と誰もが認めるだろう。マルセイバターサンドが美味しい!というのとは違った視点で、ぜひ帯広の本店に立ち寄ってみていただきたい。

僕は六花亭の企業文化というものを確かめたくて、実際に六花亭の伊藤さんという専務付きの秘書っぽい人(なんだそりゃ)に話を伺うチャンスを頂いた。予想はやはりあたっていた。というのも、六花亭の“あの”雰囲気作りに何か特別な教育をしているか?と聞いてみたところ、予想通り応えはノー。強いて言えば、先輩から代々引き継いでいるものだといっていた。アメリカのディズニーやマリオット、L.L.Beanといったエクセレントカンパニーにも共通した企業内の文化、マニュアル以外の個人的な努力だ。素晴らしい。

北海道に暮らしている人が、人間らしく人と接した時、それは自然と北海道的なおもてなしになるのだろう。六花亭は「北海道らしさ」ということを意識しているか、という問いに対して特別意識しているわけではない、と仰っていた。北海道のホテルや旅館のおもてなしがどこへ行っても画一的で、しかも変に都会的か、わざとらしい北海道らしさの演出になってしまうのは、見ていて痛々しい。「お客さまの満足」を「お客さまへの迎合」と履き違えている企業のいかに多いことか。僕達旅行業のサービスは「イエスマン」であることが基本だ。でも例えば、雨が降ったから室内のプログラムに切り替える、というのでは雨の日の美しさを感じてもらうことができない。それは、お客さまにとってむしろ不幸なことである。商売として、マニュアルとして「雨の日もきれいですよ」とお薦めするのではなく、本当に感動して「きれいですよ」と真心からお薦めできるサービスを育てたい。そしてその精神は北海道中の観光施設に、持ってもらいたい。今度、六花亭の人を呼んでシンポジウムでも開こうかな

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